
COLUMN
コラム2025.04.21
オフィスや店舗、工場などの事業環境では、湿度管理が業務の効率や快適性、さらには機器や商品の品質維持にも影響を与えます。特に乾燥が進むと、静電気の発生や製品の劣化、従業員の健康リスクなど、様々な問題が生じるため、加湿設備の導入は重要な対策のひとつです。
加湿器には様々な加湿方式があり、それぞれコストや、加湿能力に違いがあります。事業規模や業務内容に適した加湿方式を選ぶことで、効果的な湿度管理を実現できます。
今回の記事では、加湿方式ごとの特徴やメリット・デメリットを解説し、当社が提供している「リキッドデシカント方式の空調機」についても紹介させていただきます。
主な加湿方式(水噴霧式・蒸気式・気化式・加熱気化式)の特徴やメリット・デメリットなどを紹介します。
水をミスト状にして空気中に噴霧し、気化させる加湿方式です。主に工場や倉庫、農業・畜産施設などの大規模な環境で採用されることが多く、広範囲にわたって効率的な加湿が可能です。噴霧された水が空気中の熱で蒸発し、空間の湿度が上昇します。
メリット
水噴霧式の最大の利点は、広い空間でも低コストで加湿できる点です。一般的な加湿器と比べて電力消費が少なく、大規模な加湿を効率的に行えるため、運用コストを抑えられます。また、冷却効果もあるため、夏場の温度調節にも役立つことがあります。
デメリット
一方で、噴霧された水が完全に気化しない場合、床や設備に水滴が残り、結露やカビの発生につながるリスクがあります。そのため、使用環境に適した噴霧量の調整や換気対策が必要です。また、水の質が影響しやすく、不純物が含まれる水を使用すると、ノズルの詰まりや噴霧効率の低下などが発生する可能性もあります。
水を加熱して発生させた蒸気を空気中に放出する加湿方式です。内部に搭載されたヒーターによって水を沸騰させ、蒸気を放出するため、衛生的な加湿が可能です。一般的な家庭用加湿器から、オフィスや医療施設、工場などの大規模な環境向けの業務用加湿装置まで幅広く活用されています。
メリット
蒸気式の最大の利点は、清潔で安全な加湿ができる点です。加熱によって水中の雑菌やカビの繁殖を抑えられるため、衛生面で優れています。また、蒸気そのものが空気に素早く拡散しやすく、加湿効果が高く即効性があるのも特徴です。さらに、室温が下がらないのもメリットの一つで、寒冷地や冬場の暖房と併用しやすい加湿方式です。
デメリット
一方で、蒸気式には消費電力が大きいというデメリットがあります。水を沸騰させるため、他の加湿方式と比較して電気代が高くなりやすい傾向があります。また、加湿しすぎると結露の原因になるため、適切な湿度管理が求められます。さらに、ヒーターを使用するため、本体が高温になるというデメリットもあります。
水を含ませたフィルターやスポンジに風を当てることで、自然な蒸発を促す加湿方式です。扇風機や送風機のように空気を循環させながら湿度を調整するため、加湿しすぎることがなく、適度な湿度を維持しやすいのが特徴です。家庭用加湿器やオフィス、公共施設など幅広い場所で使用されています。
メリット
気化式の最大の利点は、省エネであることです。ヒーターを使用しないため、消費電力が少なく、電気代を抑えながら継続的に加湿ができます。また、加湿しすぎを防げる点も魅力で、結露も発生しづらいです。さらに、加湿時に室温を下げないため、快適な環境を維持しやすいのもメリットです。
デメリット
一方で、気化式は加湿の即効性が低いというデメリットがあります。蒸気式のように瞬時に湿度を上げることができないため、広い空間や乾燥のひどい環境では十分な加湿ができるまでに時間がかかることがあります。また、定期的なメンテナンスが必要で、フィルターに水アカやカビが発生しやすいため、こまめな清掃や交換が求められます。さらに、送風による運転音が気になることもあり、静かな環境を求める場所では注意が必要です。
水をヒーターで温め、蒸発させた水蒸気を空気とともに拡散する加湿方式です。水を直接沸騰させる蒸気式とは異なり、加熱した水をフィルターに染み込ませて気化させます。
メリット
加熱気化式の最大の利点は、衛生的な加湿ができる点です。加熱することで細菌や雑菌の繁殖を抑えられるため、清潔な水蒸気を供給できます。また、蒸気式よりも消費電力が低く、省エネ性もあります。さらに、適度な温度の蒸気が放出されるため、冬場でも室温が下がりにくく、快適な環境を維持しやすいのもメリットです。
デメリット
一方で、加熱気化式は気化式同様にフィルターのメンテナンスが必要という課題があります。また、加熱するため気化式と比較するとやや消費電力が高くなります。さらに、加湿スピードも遅めで、即座に湿度を上げたい場合には向いていません。
当社「ダイナエアー株式会社」が提供しているリキッドデシカント方式の空調機は、液体調湿剤(調湿液)を活用した製品で、調湿液の温度と濃度を調整することで、接触する空気の湿度や温度を自由にコントロールできます。
大容量の除加湿を得意とし、絶対湿度差12g/kg’以上の除加湿が可能です。高い精度での制御が可能で、一年を通じて安定した温湿度で給気します。
除菌作用のある調湿液を使用することで、空気の清浄化を図りながら、効果的な除湿・加湿ができ、未利用熱や低位排熱を活用した省エネルギー設計により、運用コストの削減と効率的な空調管理を可能にし、環境負荷の低減にもつながります。
省エネ性能に優れ、効率的に温度や湿度をコントロールできることから、工場や医療施設、オフィスビルなど様々な施設で導入されています。
加湿方式には、水噴霧式・蒸気式・気化式・加熱気化式などがあり、それぞれ異なる特徴があります。水噴霧式はエネルギー消費が少なく広範囲の加湿が可能ですが、衛生管理が重要です。蒸気式は即効性があり衛生的ですが、消費電力が高い点が課題です。
気化式は電気代を抑えつつ自然な加湿が可能ですが、加湿スピードが遅めです。加熱気化式は衛生的で適度な加湿力を持つものの、消費電力がやや高めになります。
なお、当社が提供しているリキッドデシカント方式の空調機は、液体調湿剤を利用し、温度と湿度を自由にコントロールできる先進的な製品です。省エネ性に優れ、未利用エネルギーを活用できるため、環境負荷の低減にもつながります。
リキッドデシカント方式の空調機にご興味がございましたらお気軽にご相談ください。