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コージェネ大賞2021「技術開発部門特別賞」受賞について

投稿日:2021年12月【ニュース】

この度、一般財団法人コージェネレーション・エネルギー高度利用センターが主催する「コージェネ大賞2021」において、ダイナエアー株式会社、株式会社日建設計総合研究所、エボニックジャパン株式会社、中部電力株式会社の4社で共同応募した「低温排熱利用で調湿できる新しい空調機」(リキッドデシカントエアハンドリングユニット:L D A H U)が、新規性・先導性・新規技術および省エネルギー性等を評価され、2021年12月3日「技術開発部門 特別賞」を受賞しました。

 

【コージェネ大賞とは】
新規性・先導性・新規技術および省エネルギー性等において優れたコージェネレーションシステム(以下、コージェネ:C G S)を表彰することにより、コージェネの社会への認知を図るとともに、コージェネの普及促進につなげることを目的とする賞です。

 

【脱炭素社会に向けて】
コージェネは原動機等により電力と熱を供給するシステムであり、需要地にコージェネを設置し、電力と排熱の両方を有効利用することCO2で排出量の削減、省エネルギーによる経済性向上が可能です。
また、一定条件を満たせばコージェネは商用系統の停電時に防災兼用機として利用することができ、非常時にも電力や熱を安定供給できます。
脱炭素社会の実現を目指す日本社会において、排熱の利用によるCO2排出量の削減は重要な要素の一つとして注目されています。

 

【受賞機器の特長】
L D A H Uは、コージェネ排熱を利用しつつ調湿と温調を同時に行う空調機です。
コージェネからは、高温の温水・蒸気の他にインタークーラーの冷却排熱が発生しますが、37℃程度と低いため多くは冷却塔で捨てられています。
L D A H Uは、排熱を夏場の調湿液の再生(濃度調節)用熱源と冬場の加湿及び加温用熱源に利用して通年コージェネの効率を向上させ、インタークーラーの低温排熱も余すところなく活用します。

 

 

【評価内容】
1.エネルギー低減効果
L D A H Uを用いてコージェネのインタークーラー排熱を有効利用することで、熱源全体のエネルギー消費量の約8%削減が見込めます。
一般的なシステム(外調機・コイル式蒸気加湿)と比較すると約28%のエネルギー削減効果が見込めることから、脱炭素化に向けたシステムとして有効であることを示しました。

 

2. コージェネレーションシステムの排熱利用率の向上効果
L D A H Uを用いたインタークーラー排熱の利用有無によるコージェネの排熱利用率と総合効率を示します。
インタークーラー排熱を冬期は外気の加熱、中間期は再生用温熱に用います。
夏期は給湯が少なくなって蒸気や高温水の利用量が減るため、インタークーラー排熱と合わせて調湿液の濃縮加熱源とし、排熱利用の除湿が可能となります。
排熱利用率は約12%の向上、総合効率では4%の向上が見込める結果となりました。

 

【受賞機器の新技術】
世界初の三流体熱交換器の採用により、機器の省スペース化、低コスト化を実現し導入時の課題解決に取り組みました。

 

 

また、調湿剤にイオン液体を世界で初めて採用したことで、「素材の長寿命化」、「使用材料の低コスト化」、「除菌効果による空調機内部の清浄化」の3つのメリットを実現しました。

※調湿剤にイオン液体を世界で初めて採用したリキッドデシカント空調機です。(中部電力株式会社と共同開発)
※調湿剤の飛沫が給気に混入することはなく、人体、設備及び室内に置かれている物品に悪影響を及ぼす懸念はありません。

【市場性・将来性】
潜熱顕熱分離空調を採用する事務所ビルや湿度要求の高い介護施設、医療施設や蒸気レスを目指す産業用途への導入など幅広く期待でき、普及による脱炭素化効果が大きく望めます。

 

コージェネ大賞 プレスリリース_211203

 

 

 

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