工場内の湿度管理は、製造工程の品質や効率を維持するために欠かせない要素です。適切な湿度が保たれていないと、さまざまな問題が発生する可能性があります。特に食品、医薬品、電子部品、化学製品などの製造現場では、湿度が製品の安全性や精度に直接影響するため、細やかな管理が求められます。
この記事では、「工場の湿度管理」をテーマに、湿度管理のポイントや注意点を解説し、おすすめの設備も紹介します。
工場の湿度管理の方法を知りたい方や、適切な機器・設備をお探しの方はぜひご覧ください。
工場の湿度管理をするメリット
工場内で適切な湿度管理を行うことは、生産性や品質の向上だけでなく、労働環境の改善や設備保全という観点でもメリットがあります。適正な湿度を維持することで、機械設備や金属部品のサビ・腐食を防ぎ、生産ラインにおけるトラブル発生を減らすことができます。
過度な湿度は原材料の劣化や製品の不良発生率増加につながりますが、それを回避できれば歩留まりやコストパフォーマンスの面でも改善が期待できます。
さらに、適切な湿度管理は粉塵や静電気の発生を抑え、安全かつ衛生的な作業空間を実現し、従業員が快適に働ける環境が作れます。
このように、工場で湿度を的確にコントロールすることは、品質・効率・安全性などあらゆる側面で有益な取り組みといえます。
工場の湿度管理方法
ここからは、工場の湿度管理の基本や具体的な方法、機器・設備を選ぶ際のポイント、注意点を解説します。
湿度管理の基本と方法
工場内の湿度管理に関しては、自然換気だけでは十分なコントロールが難しいため、適切な機器や設備を導入することが不可欠です。単純に窓の開閉や自然換気を行うだけでは、外気や季節の変化に大きく左右されてしまい、湿度が想定外に上昇・下降する可能性が高まります。
そのため、加湿器や除湿器といった機器を組み合わせて活用するのが基本で、適切な機器・設備を導入することで目標とする湿度レベルを安定的に維持し続けることができます。
なお、湿度調整機能が組み込まれた空調システムを採用すれば、年間を通して自由に湿度コントロールでき、気温や作業内容の変化に合わせて適切な湿度管理が維持できます。
機器・設備を選ぶ際のポイント
工場の湿度管理で用いる機器・設備を選定する際には、性能・導入費・ランニングコストの三要素をバランスよく考慮することが大切です。高い性能を持つ設備であっても導入費や維持費が過度にかかりすぎると、長期的なコストパフォーマンスが低下し、経営的な負担を増大させてしまいます。
一方で、初期投資を抑えようとして、性能面や信頼性を軽視すると、結果的に不具合や生産ラインのトラブルが頻発し、かえって損失が拡大する可能性があります。そのため、求める湿度精度や生産環境、初期導入費、ランニングコストなどをトータルで考慮したうえで最適な機器・設備を導入することが大切です。
注意点
工場で扱う製品や産業領域の特徴を十分に考慮する必要があります。すべての現場で同じ湿度設定が有効というわけではなく、それぞれの素材特性や生産プロセスに沿った基準値や制御方法を慎重に検討しなければなりません。
そうした配慮が不十分な場合、製品品質の低下や生産ロスの発生につながる可能性があるため、湿度管理の導入・運用に際しては、業界のガイドラインや専門家の意見を参考にしながら、最適な条件を見極めることが求められます。
工場の湿度管理におすすめの「リキッドデシカント空調機」
弊社、ダイナエアー株式会社が提供している「リキッドデシカント空調機」は、換気をしながら除湿と加湿が可能な空調設備で、省エネ性能が高く、効率的に温度・湿度をコントロールできることから、工場をはじめ様々な施設で導入されています。
液体調湿剤を用いて湿度を制御する技術を採用しており、外気の湿度が大きく変動する生産現場でも、製品品質や作業者の快適性を損なわず、安定した温湿度条件を維持できます。
さらに、除菌作用のある調湿剤を使用することで清潔かつ効果的な除湿・加湿を実現し、未利用熱や低位排熱を活用した省エネルギー設計により、コスト削減と運営効率向上にも貢献します。
多彩なモデルラインナップとモジュール設計によって、大規模工場から小規模ラインまで柔軟に対応可能で、導入や設置も容易です。
【製品ラインナップ】
カスタマイズタイプ
大風量が必要な用途に対応する高い汎用性を持つエアハンドリングユニットです。風量5000㎥/hから対応可能で、10,000㎥/h以上の大風量処理も実現可能。さまざまな施設や環境に適した設計で、モジュール単体での導入も可能です。
以下の2種類の装置から用途や条件に応じて選定できます。
①LDM: 世界初の技術で調湿液にイオン液体を採用し、調湿液、冷温水、空気の三流体による熱交換を同時に実現。高性能を追求したタイプです。
②LDU: 熱交換器を分離することにより、能力を若干抑えることで小型化と低価格化を実現したコスト効率の高いモデルです。
パッケージタイプ
風量3000㎥/h~9000㎥/hに対応したパッケージモデルで、「除湿」「送風」「加湿」の各運転モードに適応。処理機と再生機の2ユニット構成を採用しており、幅広い施設や工場で外気処理や湿度管理に使用されています。多様な環境での使用を想定した柔軟な設計が特徴です。
小型モデル
風量200~400㎥/hに対応する小型モデルは、住宅、歯科医院、クリニック、商業施設の店舗、施設園芸などの小規模施設に最適です。コンパクトな設計ながらも高い性能を誇り、小規模環境の湿度管理を効率的にサポートします。
工場の湿度管理をするなら
工場で適切な湿度管理を行うことは、製品の品質や生産効率の向上、設備の長寿命化、労働環境の改善など、多方面でのメリットがあります。
自然換気だけでの対応では限界があり、加湿器・除湿器や湿度調整機能付き空調システムなど、適切な機器や設備の導入が不可欠です。また、導入にあたっては性能・導入費・ランニングコストなどを総合的に検討し、コストパフォーマンスの高い選択を行うことが大切です。
また、取り扱う製品や生産プロセスによって最適な湿度条件は異なるため、関連法規・ガイドラインや専門家の意見を参考に、細やかな調整や運用ルールを定めることが求められるでしょう。
それらのポイントや注意点を押さえたうえで、リキッドデシカント空調機のような先進的な湿度調整技術を活用すれば、適切な工場環境を実現できるでしょう。